中高年の関節が痛む原因として、よく病名があがる「リウマチ」。しかし、リウマチにはいくつかの種類があるということまで知らない人が多いようです。そこで、一般的なリウマチである「関節リウマチ」と、関節リウマチによく似ている「リウマチ性多発筋痛症」の違いを紹介します。違いをしっかりと理解して、治療に備えておきましょう。

そもそも「リウマチ」とは何なの?

リウマチとは何なのか

リウマチと言えば、「関節リウマチ」のことを指すことが一般的です。しかし、実は「リウマチ性多発筋痛症」のように、関節リウマチの他にも、「リウマチ性疾患」と呼ばれる病気があります。それでは、リウマチ性疾患とは、どのような病気のことを指しているのでしょうか?

リウマチ性疾患は、関節や骨・筋肉などの運動に関わる器官に起こる病気全般を指しています。ちなみに膠原病(こうげんびょう)と呼ばれている、全身に炎症が起きる病気のいくつかが、このリウマチ性疾患に当てはまります。「関節リウマチ」と「リウマチ性多発筋痛症」も膠原病の一種です。そのため病院の診療科では、リウマチ・膠原病科など同じ科にまとめられていることがよくあります。それでは、同じくリウマチ性疾患・膠原病である関節リウマチと、リウマチ性多発筋痛症は何が違うのでしょうか?それを理解するために、次は関節リウマチの特徴を紹介します。

関節リウマチの特徴とは?

一般的にリウマチと呼ばれているのが、この「関節リウマチ」。本来は体を守るはずの免疫機能が、関節を包む滑膜(かつまく)を攻撃してしまい、炎症を引き起こしてしまいます。腫れや痛みなどの症状が現れ、最終的には関節を破壊して変形したり、関節の骨がくっついて動かなくなってしまったりします。特に朝起きたばかりの時に症状が強く出やすく、関節がこわばって動かしにくさを感じることが特徴です。また、関節に起きる炎症の他に、微熱や貧血、だるさや体重減少などの症状も起きます。なぜ免疫機能が滑膜を攻撃してしまうのか、その詳しい発症原因はよく分かっていません。関節リウマチになりやすいのは30代~50代の女性で、男女比は1:4となっています。

併発しやすい病気・症状

関節リウマチは、関節の他に「血管の炎症」も引き起こしやすい病気です。こうした血管の炎症も起きる関節リウマチのことを「悪性関節リウマチ」と呼びます。悪性関節リウマチは、血管を通して肺炎や心筋梗塞といった重大な症状を引き起こすことが特徴です。さらに、皮膚や指などが壊死してしまうこともあります。通常の関節リウマチは通院による治療が一般的ですが、悪性関節リウマチの場合は、症状が改善するまで入院することが必要です。

それでは、リウマチ性多発筋痛症は、関節リウマチとどう違うのでしょうか?次は「リウマチ性多発筋痛症」の特徴と、関節リウマチとの違いを確認していきましょう。

リウマチ性多発筋痛症について

リウマチ性多発筋痛症の特徴

リウマチ性多発筋痛症も、全身の関節に症状が現れる可能性があります。特に肩・腰などの関節周辺に痛みが起きやすい病気です。「筋痛症」という名前の通り、筋肉痛が起きることが特徴ですが、関節にも痛みが起きます。関節にも痛みを感じますが、関節リウマチのように、関節の破壊が起こることは、ほとんどありません。また関節リウマチと同じく、朝にこわばりを感じることが多いのですが、痛みに関しては夜の方が強くなりやすいのが特徴です。50代以上の高齢者に多く発症することが特徴で、70代の患者さんがもっとも多くなっています。関節リウマチと比べると男女で発症率の差が小さく、1:2と女性が少し多い程度です。

併発しやすい病気・症状

リウマチ性多発筋痛症で併発しやすい病気は、「巨細胞性動脈炎」という病気です。巨細胞性動脈炎も膠原病の一種で、こめかみ=側頭部によく起きます。側頭部に発症した場合、「側頭動脈炎」と呼ばれることもあります。最悪の場合は、失明にもつながる危険な病気です。頭痛、目のかすみなどの症状がある場合は、急いで診察を受けましょう。

関節リウマチとの違い

あらためて、関節リウマチとリウマチ性多発筋痛症の違いを確認しましょう。左側が関節リウマチの特徴で、右側がリウマチ性多発筋痛症の特徴となっています。

1.発症年齢 関節リウマチは30~50代に多い / 多発筋痛症は50代以降、特に70代に多い
2.症状が出やすい部位 指などの抹消関節から起きる / 肩や腰などに痛みが起きる
3.関節の変形・破壊 変形・破壊が起きる / 関節の変形・破壊が起きることは少ない
4.主な治療方法 抗リウマチ薬が中心 / ステロイドが中心

リウマチ性多発筋痛症を治す方法とは?

予防・検査方法について

リウマチ性多発筋痛症は、他のリウマチ性疾患と同じように、詳しい原因が分かっていない病気なので、予防することは困難です。そのため、症状が現れてから、すぐに気づいて治療を始めることが肝心であると言えるでしょう。また、リウマチ性多発筋痛症は、関節リウマチよりも判断が難しい病気であると言えます。理由としては、関節リウマチなどの症状が似ている病気があり、はっきりとした専用の検査がないからです。診断の方法としては、他の疾患の可能性を含めて、総合的に判断することが必要とされています。そのため、リウマチ性疾患全般に対する知識が必要であり、リウマチ・膠原病に詳しい専門医に診断してもらうことが必要です。

治療方法について

リウマチ性多発筋痛症には「ステロイドの使用」が効果的です。治療の開始から早い段階で痛みを抑えることができます。また完治までには、1年以上かかることが一般的ですが、予後は良好であることが多いことも特徴です。ステロイドの使用だけでは改善がみられない場合は、関節リウマチの治療に使用されるメトトレキサートなどの免疫抑制剤を使用することもあります。症状が重い場合や巨細胞性動脈炎を併発している場合は、ステロイドの大量投与が必要です。ステロイドは優れた効果を発揮しますが、同時に副作用も持っています。次はステロイドの使用中、どのようなことに注意が必要なのかをみていきましょう。

ステロイドの注意点

ステロイドの副作用として、骨粗しょう症や糖尿病といった病気や、風邪などの感染症のリスクが高まることがあげられます。そのため、長期間ステロイドを使用するときは、食事や栄養に気をつけましょう。普段以上にカルシウムの摂取量を増やし、脂質も取りすぎないようにすることが大切です。サプリメントなども活用して、バランスの良い栄養補給に努めましょう。また、もう一つの注意点として、途中で勝手にステロイドの使用を中止したり、量を減らしたりすると、症状が悪化してしまいます。副作用の不安があるからといって、自分の判断で量を決めてはいけません。ステロイドの副作用が気になるときは、必ず医師と相談してから対処しましょう。

関節に痛みを感じたらすぐに治療を始めましょう

関節の痛みは我慢していても改善せずに、痛み以外の重大な症状を引き起こす病気である可能性があります。病気の進行を食い止めるためにも、早めの治療を心がけましょう。特にリウマチ性多発筋痛症などのリウマチ性疾患の場合、放っておいたままだと命の危険につながることもあります。関節の痛みが気になってきたら、無理をせずに病院で診察を受けることを心がけましょう。

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